基本的に犬は、虫歯になりにくいとされています。
虫歯に絶対ならないというわけではありません。
愛犬も虫歯になります。
犬の虫歯に対しては正しい知識について、しっかりと理解して、犬の健康状態を確認してください。
虫歯の症状、治療法、予防法についてご紹介します。
1.愛犬の虫歯について

犬は基本的に虫歯になりにくい動物です。
1-1.犬が虫歯になりにくい理由
犬の口のトラブルとして、最も一般的なのが虫歯です。
犬が虫歯になりにくい原因は、犬の口の状態にあります。
人間の場合は、口の中は虫歯菌が繁殖しやすい弱酸性になっています。
犬の口の中は弱アルカリ性なのです。
また、人間は口内の唾液で虫歯菌が好む糖を作り出す酵素が含まれていますが、
犬の唾液には含まれていません。
犬の口の中の環境がそもそも虫歯菌が繁殖しづらい条件になっている。
1-2.犬が虫歯になるとどんな状態になるのか。
犬の虫歯の症状は、人間と同じで歯が虫歯菌で削られてしまう状態になります。
犬の虫歯ができてしまう主な場所
- 歯の表面にある小さなくぼみ
- 歯の側面の平らな部分
- 歯の根元に
虫歯になる原因は、歯垢の中にいる「ミュータンス菌」と言われる細菌が原因とされています。
犬の口の中に残った食べカスをミュータンス菌が食べることで酸を出します。
その酸が、歯の表面にあるエナメル質を破壊してしまう事で虫歯になります。
酸による破壊が、神経や血管まで到達すると、痛みを引き起こします。
2.犬の虫歯の症状

犬の虫歯の病状
- 口臭
- 歯に穴があいてしまう
など
犬は虫歯の痛みを自分で治したりすることはできません。
歯の痛みがあっても飼い主に痛みを訴えたりはしません。
愛犬の行動は虫歯のサイン
- 歯の痛みから食べるペースが遅くなる。
- 食事を全くしなる。
など、愛犬の食べる意欲が落ちている場合は虫歯を疑うことも大切です。
犬の歯は元々白くてきれいなのです。
虫歯予備軍
- 歯の色が黒や茶色になっている
- 歯垢や歯石が付いている
こう言った場合は、虫歯予備軍の可能性があります。
また、歯茎の色は犬の種類や年齢によっても違いますが、健康であれば基本的にはピンク色です。
2-1.犬は歯周病になりやすい
- 血がにじんでいる。
- 紫っぽくなっている。
- 膿が出ている。
などの症状がある場合は、歯周病が疑われます。
炎症が広がると、「顎の骨が溶けてしまう」といった状態になることもあります。
また、歯周病菌は別の病気を引き起こす可能性があります。
血管を通り血液になっと心臓や腎臓に運ばれてしまうと、別の病気にかかってしまう可能性があります。
健康なら口臭はほぼしない犬の口臭は無臭
口臭が無臭なことは健康の証なので、少しでも臭いがする場合は、
虫歯や歯周病の可能性があります。
また、口臭がある場合は虫歯や歯周病以外の病気の可能性もありますので、獣医さんに相談してみることをおすすめします。
2-2.歯垢と歯石について
歯周病や虫歯の原因は、歯と歯茎の間にある「歯周ポケット」に溜まってしまった歯垢と歯石になります。
「歯周ポケット」に汚れが溜まりやすいです。
犬の歯の形状から、歯に汚れがつくと言うよりも、2-3.歯垢とは何か
一言で言うと、「細菌の塊」の事です。
食べかすの中で細菌が増殖して歯垢になります。
口の中に入ってきた食べ物から栄養を吸収することで増殖します。
細菌が増殖しただけの状態であれば
歯磨きをしっかりと行えば取り除くことができます。
2-4.歯石とは何か
歯石というのは、歯垢にカルシウムなどが合わさり、固まったものです。
- 歯に歯石が付いてしまう。
- 歯の表面がザラザラする。
- 歯垢がつきやすくなる。
- さらに歯石が増える。
- さらに、歯垢がつきやすくなる。
と言う様に、悪循環が起こります。
歯石がついてしまうと、歯磨きでは取れなくなってしまいます。
動物病院で歯石を取る必要が出てきます。
犬の歯垢は3日間で歯石になってしまうと言われています。
犬の歯石を取るには、ずっと口を開けている必要がありますが、犬にはそんなことできません。
全身麻酔で歯石を取ることになります。
3.虫歯の治療法

犬の虫歯の治療は、人間とあまり変わりません。
犬の虫歯治療のパターン
- 虫歯を削る虫歯
- 歯髄を除去する
- 抜歯をする
3-1.虫歯を削る
虫歯が軽度で、虫歯の部分を削れば、普段の生活ができる場合に行う方法です。
虫歯の部分を削り、削った箇所に詰め物をする治療の内容になります。
人間と全く同じですね。
3-2.歯髄を除去する
「歯髄」というのは、歯の神経のことを言います。
場合や、 虫歯の進行がある程度進んでいる虫歯が歯の神経に到達している場合は、神経や血管が集まっている歯髄を除去する治療方法になります。
軽度と重度の間の症状の場合の行われる治療方法です。
3-3.抜歯をする
虫歯がかなり進行し虫歯菌によって歯が削られ過ぎている場合、歯が残せなくなってしまう場合があります。
この場合には抜歯をすることになります。
虫歯の歯を抜き、しっかりと洗浄し銀歯等を詰める治療法になりおます。
3-3-1.犬の抜歯後の食事はどうなるか
犬は、人間の様に食べ物を噛みながら食べる訳ではありません。
歯の構造と歯の使い方が人間とは違い、歯がジグザグに噛み合わさっているので、食いちぎって丸呑みしてしまいます。
これは我が家のアイドル愛犬ニーナのお肉丸呑み映像w
全く噛むことなく食べちゃってますw
3-4.虫歯の治療費について
犬の虫歯の治療費は、虫歯の進行具合等変わります。
目安としての費用をご紹介します。
犬の虫歯の治療費一覧
- 歯石除去 約30,000円~50,000円くらい
- 抜歯(歯を抜く)約5,000円~10,000円くらい
- 神経の除去 約50,000円くらい
- 銀歯を作る 約50,000円くらい
約30,000円~50,000円程度になります。
犬の虫歯治療は、麻酔などを行わない場合はもう少し控えまな治療費になりますが、虫歯などの状態によっては麻酔を行わないと治療が行えない場合もあります。麻酔などを行うと治療費が高くなります。
「愛犬を飼うのはお金がかかるなぁ」と思う方におすすめなのは、「ペット保険」と言うものがあります。
ペット保険に加入していれば、保険を使用することができるので、少ない負担で治療を受けることができます。
ペット保険はいろいろな種類があるので確認しておくことをおすすめします。4.虫歯や歯周病を予防する方法

歯磨きをすることです。
歯周病や虫歯の予防にもっとも効果的なのは、できれば毎日歯磨きをするのが理想です。
でもなかなかそうもいかないのが現実ですよね。
ですが、
歯石ができてしまうスピードは人間よりも早い為、3日に1回は歯磨きを行ってあげることをおすすめします。
歯磨きにはコツがあり、愛犬の為だと思い、とにかく磨こうとすると、愛犬が歯磨きをすることが嫌いになってしまう可能性があります。
- 愛犬が歯磨きを嫌がったらすぐにやめる。
- 少しでも歯磨きができたら、いっぱい褒めてあげる。
ご褒美でもOKです
それは、歯磨きの順番をご紹介します
愛犬の歯磨きの順番
愛犬の口を触ってみる
犬は口周りを触られるのが嫌いな子が多いです。
始めのうちは、おやつを使って少しずつ口を触る練習をします。
少し慣れてきたら、口の中を見たり、口をめくってみたりします。
ここで、口の中を十分に見せてくれる様になったら、第一段階クリアです
愛犬の歯を触ってみる
歯磨きに慣れるにはまず最初に、歯ブラシではなく、指や濡らしたガーゼ等を使って、歯の表面を触ることことから練習すると良いです。
最初は一番触りやすい前歯から始めると良いです。
愛犬が口の中や歯を触られることに少しずつ慣れてきます。
慣れてきたと感じたら、少しずつ歯を触る時間や口の中に指を入れている時間を長くしていきます。
そうすれば、奥歯まで触れるようになってきますので、焦らずにゆっくりと続けていくことが大切です。
ここまでできたら、次は最終段階です。
歯ブラシを使って磨いてみる
愛犬がここまで慣れてくれたら、最後は歯ブラシを使って歯磨きにチャレンジです。
急にゴシゴシ磨くと、愛犬もびっくりしますので、最初は歯に軽く触るくらいで十分です。
歯ブラシは人間が歯を磨く時と同じ様に、水で濡らし、歯磨きジェル(犬用歯磨き粉)などをつけてから使います。
少しずつ磨く範囲を広げていき、歯と歯肉の間の汚れをかきだすように、歯ブラシを斜めに傾けて磨いていきます。
最終的には、歯の表面だけでなく、奥歯や歯の裏側まで磨けるようします。
これらの順序をゆっくりと毎日繰り繰り返し行ってあげることで愛犬も歯磨きに少しずつ慣れてくれます。
なかなか歯ブラシに慣れてくれない子もいます。
無理に歯ブラシを使用するのではなく、指にガーゼを巻き、歯を擦るくらいでも歯磨きになります。
そう言った場合は、飼い主さんが愛犬の虫歯で気をつけないといけないことがあります。
人から犬に虫歯がうつることがあります。
スキンシップとして行うキスでもうつってしまう事もあるのです。
ですが、スキンシップは愛犬と飼い主さんの信頼関係を気づく為の大切なものです。
愛犬とのスキンシップをしっかりと行うためには、飼い主さん自体の歯磨きもしっかりと行い、虫歯のない清潔な状態を保つことが大切です。
4-1.虫歯が乳歯なら抜歯してあげる
犬は、生後5ヶ月~10ヶ月の期間にに乳歯が抜けて永久歯に生え変わります。
中には、なかなか乳歯が抜けずに残ってしまい、そのままの状態で永久歯が生えてきてしまう事があります。
乳歯が残ってしまったままになってしまうと、歯の隙間に歯垢が溜まりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
また、噛み合わせにも影響してしまいます。
愛犬が生後7ヶ月過ぎても乳歯が抜けていないことがわかった場合は、一度動物病院で獣医師さんに相談することをおすすめします。
5.まとめ

ここでは愛犬のお口のトラブル、虫歯について、原因と予防法と治療方をご紹介しました。
基本的に犬は虫歯になりにくい動物です。
犬の口の中は、虫歯菌が住みづらい環境になっているからです。
ですが、人間とのスキンシップ(キス)や食べかすが口の中に残り、歯垢がつくと、数日で歯石になります。
歯石になると歯ブラシでは簡単に取ることができず、そこから虫歯になる可能性があります。
愛犬のお口が「臭い場合」や「歯が黄ばんでいたりした時」は、
歯周病や虫歯の予備軍の可能性があります。
歯石になっていると歯ブラシでは取れないので、
一度動物病院を受診することをおすすめします。
虫歯の治療にはいろいろありますが、麻酔を必要とする治療の場合は、費用が高くなります。
普段からの歯磨きで虫歯を予防することもできますが、いざという時の為に、「ペット保険」に加入しておくことで、治療費を少なく抑えることができますのでおすすめです。


虫歯の進行が進んでいる場合は、抜歯する場合があります。
抜歯すると愛犬がご飯を食べにくくなりストレスになるのではないかと心配される飼い主さんがいますが、犬はほとんど咀嚼しません。
肉を引きちぎるくらいのことができれば十分で、丸呑みでも美味しさを感じているようです。
歯ブラシを毎日することはとても大変です。
目安として3日おきくらいには歯ブラシをしてあげることをおすすめします。
また、歯ブラシは犬にとって、苦手なことです。
そもそも口を触れることが嫌いな子もたくさんいます。
そう言った場合は、
少しずつ時間をかけて、
口元を触らせてもらえるように、
口の中を触らせてもらえる様に、
歯ブラシを口の中に入れてもらえる様に、
段階を踏んで焦らず歯ブラシの練習をしてあげてください。